特別展「美しい本 製本装幀家ティニ・ミウラのしごと」

仙台文学館では、特別展「美しい本 製本装幀家ティニ・ミウラのしごと」が開催されています。(〜6月28日)

招待券をいただき、家族で行ってきました。

金の色使いが目を引くチケットは、川端康成の『古都』(新潮文庫・1982年)。
ティニ・ミウラがデザインしたものです。

ティニ氏はドイツにルーツを持ち、宮城県登米市にある宮城芸術文化館の館長をつとめ、2025年11月にご逝去されました。

本展示では、『雪国』『伊豆の踊り子』などとともに新潮文庫・川端康成作品のカバーアートを見ることができます。

リーフレット表紙の書籍は、宮沢賢治の『風の又三郎』(東京八雲書店・1943年)。
こちらは表紙と背表紙が見られるように、本を起こして展示されていました。金箔押しを施された「北風」に躍動を感じられます。

そもそも、「製本装幀本」とはどんなものか。

すべての工程を手作業で行う一点ものの本づくりには高い技術を要し、また1冊の本をつくるのに3か月から1年もの時間がかかりますが、たしかな技術によってつくられた本は頑丈で美しく、500年の保存がきくと言われています。

(リーフレットp2より引用)

500年というと想像が難しいですが、制作時に使用する工具を見ると、たしかに頑丈なのも頷けます。

そして会場には、たくさんの製本装幀本が展示されていました。
(※撮影OKでしたので、数枚だけ。あとはぜひ会場でご覧ください!)

現在広く流通している印刷された表紙の書籍ではなく、革装、象嵌、箔押しなど、どれも手の込んだデザインになっています。

こちらの本は、メキシコ貝の象嵌が印象的です。

もちろん表紙・裏表紙だけではなく、小口や見返しにも美しい加工が施されています。
写真中央の書籍は、小口が金色でした。

一冊一冊に熱量を感じます。

一方で、ティニ氏と夫の永年氏はマーブルペーパーにも造詣が深かったようです。

マーブルペーパーは、ヨーロッパで古くから作られている伝統工芸紙です。*マーブル=大理石(Marble)
水に浮かべた染料を紙に転写することで制作されます。

実は鑑賞中、昔フィレンツェでマーブルペーパーの制作過程を見たことを思い出しました。
新婚旅行でイタリアの都市を巡っていた際に、たまたま見学したものです。

もう7年以上前ですが、写真が残っていました。

1枚目の写真の棒は、液につけて転写した紙から余分な液体を取るときに使っていました。

当時の記憶はかなり曖昧ですが、これが伝統的な技法で、印刷ではないためどれひとつとして同じ柄にはならないと職人さんが話していたと思います。

ティニ氏と永年氏が編み出した「オーローグラフ」という手法は、手染めと手書きを融合させたものだそうです。

たしかに、フィレンツェで見たものとは違います。
どこが手染めでどこが手書きなのかもわかりませんでしたが、思わず見入ってしまいました。

最後に、文学館の入り口について。

クマの目撃情報が出たため、台原森林公園へ続く山道が閉鎖されているようです。(※この写真は、5月24日撮影)

地下鉄駅からは行けないので、公共交通機関を利用する場合はご注意ください。今だとバスになるかと思います。

バスを利用し、国道側から入る道はこちらです。

▼外階段を使っても、同じ受付前に着きます。

個人的には、森の中を抜ける道が好きでした。

ここは平時も、いろいろな生物がいます。
「クマのようなもの」と注意喚起されていた時期は、シカが疑われていました。

本展示を鑑賞したのは山道閉鎖前の5月10日ですが、その際はあかまつの道を抜けた先にある中央遊歩道にヘビがいました。
種類はわかりませんが、結構大きめ。幼児の手首よりは細いくらいです。

以前に訪れたときは、リスが目の前を駆けていきました。(仙台は、リスはわりといますね。瑞鳳殿でも、木の上に見ることができます)

クマではさすがに行けないので、早く状況が良くなるといいなと思います。

特別展は6月28日(日)まで。
本や装丁がお好きな方にはおすすめです。クマに気をつけて、バスで行ってみてください。

特別展「美しい本 製本装幀家ティニ・ミウラのしごと」
場所:仙台文学館 企画展示室
会期:2026年4月25日(土)〜2026年6月28日(日)
観覧料:一般810円、高校生460円、小・中学生230円(各種割引あり)

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